よく聞くAI用語を簡単解説

この辞典の使い方

AIのニュースや記事を読んでいると、「LLM」「ハルシネーション」「トークン」と、当たり前のように専門用語が出てきますよね。この辞典は、そうしたAIの言葉を、辞書のように必要なぶんだけ引けるようにまとめたものです。頭から通して読む必要はありません。下の索引から気になった言葉を選んで、その説明へ飛んでください。

各用語は「一言でいうと」→ 少し補足 → ひとこと注意(または身近な例)の順に、2〜4文でまとめています。むずかしい数式や技術の中身には踏み込まず、「会話についていける」ことを目標にしました。「LLM」のような英字略語はアルファベット索引、「トークン」「生成AI」などは五十音索引から引けます。用語は随時追加していきます(最終更新:2026-07-09)。


索引

アルファベット(A–Z)

APILLMRAG

五十音(あ〜ん)


アルファベット(A–Z)

API

あるサービスの機能を、別のアプリやプログラムから呼び出すための窓口のようなもの。AIのAPIを使うと、自分のアプリや業務システムにAIの機能を組み込めます。個人がチャット画面で使うぶんには直接は関係しませんが、「開発者向けの入り口」として頻出するので覚えておくと読みやすくなります。

LLM(大規模言語モデル)

Large Language Model の略で、生成AIの「言葉まわり」を支えている頭脳にあたります。生成AIという大きなくくりの一種で、とくに“言葉”を担当する部分、と捉えると位置づけがはっきりします。膨大な量の文章を学習して、「この流れなら次はこの言葉が来やすい」を予測する仕組みです。ChatGPTなどの“中身”がこれ、と考えるとイメージしやすく、会話では「エルエルエム」とそのまま読みます。

RAG(検索拡張生成)

AIに答えさせる前に、関連する資料を検索して手元に渡すやり方。ファインチューニングが追加学習で“体質”を変えるのに対し、RAGはモデルを学習させず、必要な資料をその場で渡して答えさせる——ここが大きな違いです。この検索は、あなたが手で探すのではなく仕組み側が自動でやってくれます。丸暗記に頼らせず、その都度“カンニングペーパー”を見せるイメージ、と考えると分かりやすいです。自社のマニュアルや最新情報に沿って答えさせたいときによく使われ、ハルシネーションを減らす工夫のひとつとして語られます。読みは「ラグ」。


五十音(あ〜ん)

AIエージェント

指示に対して自分で手順を考え、複数の作業を段階的に進めてくれるタイプのAI。1回の質問に1回答える従来型より一歩進んで、「調べて→まとめて→下書きまで」のように動くのが特徴です。まだ発展途上の分野で、できることも日々変わっています。

学習データ(トレーニング)

AIが賢くなるために取り込んだ大量の文章や画像のこと。この学習には「いつまでの情報か」という区切りがあり、それ以降の出来事は基本的に知りません。だから最新情報を尋ねると的外れになることがある——この性質はここから来ています。

コンテキストウィンドウ

AIが一度にまとめて読める分量の上限のこと。トークンが“文章を数える単位”なら、コンテキストウィンドウは「その単位をどれだけ入れられるか」という入れ物の大きさ、という関係です。ここを超えると、前半に伝えた内容を忘れたように振る舞うことがあります。長い資料を丸ごと貼っても反応が薄いときは、この上限に引っかかっている場合がある、と知っておくと対処しやすいです。

生成AI(Generative AI)

一言でいうと、文章や画像などを「作って」返してくれるAIのこと。「旅行の予定を組み立てて」と頼めば旅程を書いてくれる、あのタイプです。ここ数年で一気に身近になったのは、専門知識のない人でも普通の言葉で使えるようになったから。もう少しくわしくは「生成AIって結局なに?」の記事にまとめています。

トークン

AIが文章を扱うときの、いわば文章を数えるための単位で、単語よりやや細かいイメージです。たとえば「ありがとう」のような短い言葉でも、いくつかのトークンに分かれて数えられます(日本語では1文字が1〜2トークンほどになる場合が多い、というくらいの感覚で大丈夫です)。料金や「一度に扱える長さ」がこのトークン数で決まることが多いので、有料利用を考えるときに出てくる言葉です。

パラメータ

モデルが学習を通じて調整した、無数の“つまみ”のようなもの。この無数のつまみの合わせ方によって、AIの答え方のクセが決まっていくイメージです。「パラメータ数◯◯億」という数字は、ざっくり「モデルの規模の大きさ」の目安として語られます。ただし数が多い=賢い、と単純には言い切れません。会話についていくには「大きさの指標のひとつ」くらいの理解で困りません。

ハルシネーション

AIが、事実と違うことをさも本当らしく答えてしまう現象。日本語では「幻覚」と訳されます。悪意で嘘をつくのではなく、“もっともらしい続き”を組み立てる仕組み上どうしても起きるものです。数字・日付・固有名詞は鵜呑みにせず、大もとの情報で確かめる——これが基本の対策になります。

ファインチューニング

出来上がったモデルに追加の学習をさせて、特定の用途や口調に寄せる調整のこと。追加学習によってモデルそのものの“体質”を変えるイメージで、RAGとよく対比されます。たとえば自社の問い合わせ対応に特化させる、といった使われ方をします。専門的で手間もかかるので、個人が日常で使うぶんには「そういう仕立て直しがある」と知っておく程度で十分です。

プロンプト

AIに出す指示や質問の文章そのものを指します。「〜を要約して」「〜のアイデアを5つ」といった、あなたが打ち込む言葉すべてがプロンプトです。同じAIでも、このプロンプトの書き方で答えの質はかなり変わります。書き方のコツは別記事「AIに“伝わる”指示の書き方」で具体的に紹介しています。

マルチモーダル

文章だけでなく、画像・音声・動画など複数の種類の情報をまとめて扱えること。写真を見せて「これ何?」と聞けたり、音声で話しかけられたりするのがこれです。最近のAIはこの方向にどんどん広がっていて、ニュースで見かける機会も増えています。


載っていない言葉があれば

モデル名や料金、各社の対応状況は変化がとても速いので、実際に使う数字や仕様は各サービスの公式ページで最新のものを確認してくださいね。

用語は少しずつ増やしていきます。「この言葉が載っていない」「これも知りたい」というものがあれば、お問い合わせから気軽に教えてください。