Geminiで画像を作る
資料やブログ、SNSに「ここに1枚ほしい」と思って、フリー素材サイトを探す。でも、近いものはあっても、用途にぴったり合う写真や図がなかなか見つからない。手が止まるこの場面は、けっこうあります。
そういうときは、素材を探すのをやめて、AIに言葉で頼んで作らせるほうが早いことがあります。たとえばGoogleのGeminiは、スマホアプリでもブラウザでも使えて、2026年7月時点では無料でも画像づくりを試せます。入力欄に「机の上のノートパソコンとコーヒーを、朝のやわらかい光で、横長の写真風に」と書いて送れば、狙いに近い1枚が返ってきます。絵心も、専用ソフトも要りません。
写真だけではありません。「企画から執筆、公開までの3ステップを矢印でつないだ図」のような、資料に挟む説明図も同じように頼めます。既製の素材にはまず並んでいない"自分の内容に合った図"こそ、この作り方が効きます。
内容に合う画像を、自分で作れる
自分で作る値打ちは、大きく三つあります。
- 素材探しの遠回りが要らない。フリー素材サイトを何ページもめくって、近いけれど少し違う写真で妥協する。あの手間がなくなります。
- 内容にぴたりと合う。記事やスライドの中身に合わせて注文できるので、話とずれた借り物の写真になりません。
- 気に入るまで直せる。一枚で決まらなくても、言葉を足してもう一度頼めばいい。気軽に試せます。
やることは三段です。欲しい絵を言葉にする。AIに渡す。言葉で直して、用途のサイズで貼る。
① 何を・どんな雰囲気・どの形か、言葉にする
はじめの一歩は、欲しい絵を文章にすることです。ここで仕上がりがだいたい決まります。
さきほどのような一言でも絵は出ますが、狙いに寄せるなら、もう少し具体的に渡します。やりがちなのが、ざっくり頼んでしまうこと。「AIの画像を作って」とだけ書くと、AIは何を描けばいいのか決めきれず、どこかで見たようなありきたりの1枚を返してきます。盛り込みたいのは、次の四つです。
- 主役(何を):机の上のノートパソコンとコーヒー
- 様子(どうしている・どんな構図):俯瞰(上から見た構図)で、朝の作業風景
- 雰囲気(色・トーン・画風):暖色でやわらかい光、写真風
- 用途と形(何に使う・縦横比・余白):ブログのアイキャッチ用に横長、右側に文字を置く余白
これをつなげて、こう頼みます。
机の上のノートパソコンとコーヒーを、俯瞰で。
朝のやわらかい光、暖色で写真風。
ブログのアイキャッチに使うので横長で、
右側に文字を置く余白を空けてください。
ざっくりした一言と、この四点を添えた注文とでは、返ってくるものが目に見えて変わります。具体的に渡すほど狙いに近づくのは、文章を頼むときと同じです。この指示のコツはAIに"伝わる"指示の書き方にまとめました。画像を頼むときも同じ要領で使えます。
縦横比(形)は、貼る先ごとに必要なものが違います。目安はこのあたりです。
- ブログのアイキャッチ・動画のサムネイル:横長(16:9)
- SNSの投稿:正方形、または縦長
- 資料に挟む説明図:横長か、置き場所に収まる形
② 画像を作れるAIに、その説明を渡す
説明ができたら、それをAIの入力欄に貼って送るだけです。画像専用のモードを探さなくても、いつものチャット欄にそのまま書けば作れます。新しいアプリを入れずに済みます。ただし、AIには画像を作れるものと、文章専門で画像は作れないものがあります。ChatGPTの画像生成や、冒頭で挙げたGeminiが画像に対応しています。手元のAIで画像が出てこないときは、スマホでもブラウザでも使えるGeminiから試すのが手軽です。1枚できるまでは、慣れれば数分です。
ここは正直に、変わりやすいと書いておきます。どのAIで画像が作れるか、無料か有料か、一日に何枚まで作れるか。このあたりは時期によってよく動きます。2026年7月時点でも、無料で試せる範囲は各社でばらばらですし、来月には条件が変わっていることもある。「自分のいつものAIで作れるか」は、各サービスの公式案内で確かめるのが確実です。
どのツールで作るか迷うなら、ツールごとに性格がかなり違います。手軽さ重視のもの、作品としての美しさが得意なもの、細かく調整して自由に回せるもの。その選び分けは画像生成AIの選び方に整理したので、迷ったらそちらを覗いてみてください。
写真だけでなく、説明図やフローのような"図解"も、同じ言葉で頼めます。たとえば、こんなふうに。
「企画→執筆→公開」の3ステップを、
左から右への矢印でつないだシンプルな図に。
背景は白、色は青系でそろえて、資料に貼れる横長で。
ただし、文字がたくさん入る図は崩れやすいクセがあります(これは後で触れます)。仕上げに文字を自分で載せる前提なら、"枠と矢印だけ"をAIに作らせて、ラベルはCanvaやPowerPoint、スライドなどであとから打つ、という分担がかえって手早いこともあります。
③ 言葉で直して、用途のサイズに合わせて貼る
一発で理想どおりに出ることは、まずありません。でも直すのは簡単で、気になった点をそのまま追加で注文すればいい。
「もっと明るく」「暖色を強めに」「文字を入れる余白を、左側に空けて」「人物を少し小さく、引きの構図で」。こう伝えると、直した1枚がまた返ってきます。この往復を二、三度くり返すうちに、イメージどおりに寄っていきます。もう一歩踏み込むなら、手持ちの写真を見せて「この構図のまま、色だけ明るく」と土台にしたり、気に入った1枚の指定を使い回して複数枚の雰囲気をそろえたり、という手も使えます(対応はサービスによります)。
形が用途と合っていないときは、「横長にして」「正方形で」と頼み直すか、パソコンの画像編集で必要なサイズに切り抜きます。アイキャッチは横長、SNSは正方形か縦長、と貼る先で必要な形が違うので、最後にここを合わせておくと収まりが良くなります。
できあがったら保存して、使う場所に貼ります。ブログのアイキャッチ、資料の説明図、SNSの1枚。形さえ合っていれば、あとはそのまま使えます。
仕事で使う前に、規約と"崩れ"は自分の目で確かめる
便利な一方で、外に出す前に押さえておきたい注意が三つあります。
ひとつめは、仕上がりの崩れです。AIが作る画像は、よく見ると指が六本あったり、看板の文字が意味をなさない記号になっていたりします。パッと見はきれいでも、拡大すると粗が残ることがある。人前に出す前に、一度は自分の目で細部を確かめてください。特に文字入りの図解は苦手分野なので、絵だけAIに作らせて、文字は後から自分で載せるほうが、かえって早くて確実な場合があります。
ふたつめは、似せて作らせないこと。実在の有名人や、既存のアニメ・ゲームのキャラクター、企業のロゴを"それらしく"再現させるのは避けたほうが無難です。ふれる可能性があるのは著作権だけでなく、商標や肖像権など別の権利にも及びます。プロンプトに特定の作品名・作家名・キャラクター名を入れるのも、似せる方向に働くので控えておくのが安心です。狙っていなくても既存の絵に似てしまうことはあるので、外に出す前に「これ、何かに似ていないか」と一度見比べておくと、なお安全です。
みっつめは、いちばん大事なところです。仕事や商用で使うなら、利用規約の確認は欠かせません。商用利用が認められているか、クレジット表記が要るか、生成した画像をどこまで使ってよいか。これはサービスごとに違いますし、法律にも関わる込み入った話です。「AIで作った画像だから自由に使える」と決めつけないこと。出発点の一例として、Adobe Fireflyのように学習データを整えて商用利用に配慮して作られたサービスもあります(ただしプランによって使える範囲が違うので、そこは確認を)。個人的なメモや下書きなら気楽に使えますが、外に出す1枚は、使う前に一段慎重に、公式の規約へ目を通しておくのが安全です。
いちばん効くのは、既製品が見つからない説明図
写真そのものなら、ちょうどいいフリー素材が見つかることもあります。この作り方が本当に活きるのは、そこにない1枚のほうです。記事の内容に合わせた図解、資料の流れを示す説明図、頭の中にある構図。こういう"自分の内容に合った図"は、素材サイトにはまず並んでいません。だからこそ、言葉で頼んで作る値打ちがあります。
外に出す1枚だけは、細部の崩れと利用規約を自分の目で確かめる。そこを押さえておけば、資料やブログの「ここに1枚ほしい」で手が止まる場面は、だいぶ減ります。
