Microsoft の Copilot から、2026年8月18日以降、2つの機能が順次消えます。ひとつのテーマを深く掘って、詳しいレポートに仕立てる「Deep Research」と、気になるトピックを指定するとWebから情報を集めて音声にする「Podcasts」です。
海外の記事では、Podcasts の終了のほうが見出しになっています。ただ、日本で Copilot を使っている人が実際に困るのは Deep Research のほうです。いっぽうで、過去に作ったものが消えてしまうのは Podcasts のほう。効くところが、二つでずれています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 消える機能 | Deep Research/Podcasts |
| いつ | 2026年8月18日以降、順次(時刻は公表されていません) |
| 影響を受けるプラン | 無料・Microsoft 365 Personal・Family・Premium のすべて |
| 対象地域 | 日本も対象とみられる(地域を限る案内なし/告知は英語版ヘルプのみ) |
| 使う場所 | Copilot の Web版・スマホアプリ(iOS/Android)・Windowsアプリ・Macアプリ(ほかに Edge・Xbox) |
| 8月18日までにすること | ありません(Microsoft のFAQに明記)。Deep Research のレポートは残ります |
Podcastsは英語のみ、Deep Researchは日本語で使える
Podcasts は、英語だけの機能です。Microsoft の日本語ヘルプにも「Copilot ポッドキャストは現在、英語でのみ利用できます」と書かれています。日本語で Copilot を使っている人は、そもそも作れません。英語で聞いている人以外は、この終了で手放すものはほとんどありません。
Deep Research はちがいます。日本語のままテーマを投げれば、日本語のレポートが返ってきます。日本語ヘルプには「サポートされているすべてのリージョンと言語で利用できます」とあり、Copilot の対応言語の一覧にも日本語は入っています。
自分が使っていたかどうかは、返ってきたものの形で見分けられます。Copilot にふつうに質問すると、答えは数秒で返ってきます。そうではなく、調べ物を頼んでしばらく待たされ、見出しのついた長いレポートが返ってきた記憶があれば、それが Deep Research です。競合の料金を並べて比べる、ある分野の動きをひととおり洗う。そういう下調べを Copilot に預けていた人にとって、8月18日になくなるのはこちらです。
なお、Mac の Copilot アプリでは Deep Research はもともと使えません。Mac で使っていた人は、ブラウザで copilot.com を開いていたはずです。
海外の記事が Podcasts を先に立てるのは、英語圏では実際に使われているからです。同じニュースでも、日本から読むと困る側が入れ替わります。
ひとつ補足を。廃止の告知が出ているのは、いまのところ英語版のヘルプだけです。日本語版にはまだ載っていません。ただ、告知の本文は「消費者向けの Copilot アプリ」とだけ書かれていて、国を限る言葉は入っていません。日本語版と英語版で提供内容が分かれる、という案内も出ていません。日本も含まれる前提で読むほうが安全です。
Deep Researchは「何もしなくていい」
失うものには二種類あります。これから使えなくなる機能と、過去に作ったものが消えること。Deep Research で起きるのは、前者だけです。
Microsoft の FAQ に、そのままの答えが載っています。「8月18日より前に何をしておけばいいですか」という問いへの答えは、「No action is required(何もする必要はありません)」。
過去に作ったレポートが消えないからです。Microsoft 365 Premium の人は Researcher から、無料・Personal・Family の人はチャットの履歴から、これまでのレポートを開けます。新しく走らせることはできなくなりますが、作ったものは手元に残ります。
大事なレポートは Word の文書として保存しておくこともできます。ただしこれは「できます」と案内されているだけで、期限つきの作業ではありません。書き出し方は Microsoft の案内に沿ってください。急いで動く話ではない、というのが公式の説明です。
消えるのはPodcastsのほう
対照的なのが Podcasts です。8月18日を過ぎると機能そのものが無くなるうえ、それまでに作った音声も開けなくなります。Word のような書き出しの用意もありません。
| 過去に作ったもの | 書き出し | |
|---|---|---|
| Deep Research | 残る(Premium=Researcher/無料・Personal・Family=チャット履歴) | Wordに保存できる |
| Podcasts | 消える(過去の音声も開けなくなる) | できない |
つまり、公式が「何もしなくていい」と言っているのは Deep Research の話で、本当に消えてしまうのは Podcasts のほう。そして、そちらには残す手立てが用意されていません。英語で聞いていた人にとっては、聞けるのが8月18日までだと知っておくくらいしかできない、というのが正直なところです。
代わりになるもの
これからの調べ物をどうするかは、使っているプランで変わります。
| 使っているプラン | 月額 | Deep Research の代わり |
|---|---|---|
| 無料 | 0円 | ありません |
| Microsoft 365 Personal | 2,130円 | ありません |
| Microsoft 365 Family | 2,740円 | ありません |
| Microsoft 365 Premium | 3,200円 | Researcher に切り替わります |
金額は Microsoft の日本公式ページに載っている月額で、有料の3つは年払いも選べます。いま Personal なら月1,070円、Family なら月460円の増額で Premium に届きます。ひとつ気をつけたいのは人数で、Family と Premium は最大6人で使えますが、AI の機能を使えるのは契約した本人だけです。
Premium は2025年10月に登場したばかりの、個人向けでいちばん上のプランです。Microsoft 365(Word や Excel)と、以前あった Copilot Pro を1つにまとめたもので、Copilot Pro のほうは販売が終わっています。名前に見覚えがなくても不思議はありません。
Researcher は、Copilot の中で調べ物を担当するエージェントです。公式ヘルプでは、Deep Research の役目を Researcher が引き継ぐ、という書き方になっています。別物というより、吸収された形です。個人の Premium で使うぶんには、Web を中心に調べる点は Deep Research と変わらず、違いは使える量の上限が高いことです。
会社のパソコンで Copilot を使っている場合はどうか。今回の告知は「消費者向けの Copilot アプリ」と書かれていて、会社で使う Microsoft 365 Copilot について別の案内は見当たりません。会社で Microsoft 365 Copilot のライセンスがある場合は、もともと Researcher が使えます。
Microsoft の側から見れば、Deep Research を Premium 限定の Researcher に寄せる形になります。無料でも使えていた機能が上位プランの側に移るわけで、実質の値上げだと受け取る人もいそうです。
Copilot の外まで見れば、Deep Research と似た機能は ChatGPT・Gemini・Perplexity にもあります。どれも日本語のまま使えますが、無料でどこまで試せるかは各社で違い、国によっても変わると案内されています。Gemini は無料でもレポートを作れます。ただし、混み合っているときは使えないことがあります。移る前に、各社の公式で今の条件を確かめておくと確実です。3つの向き不向きはChatGPT・Gemini・Perplexityの使い分けにまとめました。Premium に上げるか、ふだん使っている別のAIで代えるか。どちらが合うかは、調べ物にどれくらい預けてきたかで変わりそうです。
背景はCopilotの統合
なぜ2つ消えるのか。Copilot 全体を1つのアプリにまとめる動きの一部と見ると、筋が通ります。
サティア・ナデラCEOが、米国時間2026年7月29日(日本時間では7月30日の早朝)の決算説明会で公表しました。いま分かれている chat・Cowork・Code を、1つのアプリにまとめる。CEO自身が「スーパーアプリ(super app)」と呼び、個人向けと法人向けの両方が対象だと話しています。リークではなく、会社が自分で言ったことです。時期は「この四半期」。Microsoft の会計年度では、2026年9月末までにあたります。
なお、統合の対象に入っている Cowork は法人向けの機能で、個人のプランでは使えません。Code は開発者向けです。個人で Copilot を使っている人が触るのは、chat の部分になります。
ここからは報道ベースの話になります。「統合は8月中」という時期は、社内メモをもとにした報道から出たもので、公式の言い方はあくまで「この四半期」です。統合にあわせて新しい有料プランができる、実験機能の Labs も終わる、とも報じられていますが、こちらは公式の告知を確認できませんでした(Labs のページは8月初旬の時点でまだ動いています)。決まったことと、報じられていることは、分けて見ておくほうが安全です。
Autopilotと第1号のMicrosoft Scout(個人は当面対象外)
先に書いておくと、これは個人で Copilot を使っている人には当面関係のない話です。統合の先に何が置かれているかだけ、知っておけば足ります。
Microsoft は「Autopilot」という呼び方を使い始めました。1つの製品名ではなく、頼まれた仕事を自分で進めるエージェントの種別を指す言い方です。企業がパソコンを配るときに使う「Windows Autopilot」とは別物で、名前が同じなので検索すると混ざります。
その第1号が「Microsoft Scout」。決まった間隔で自分から様子を見に行きますが、影響の大きい操作は人の承認を求める作りです。ただ、いま使えるのは、Microsoft のプレビュー版プログラム(Frontier)に入っていて、GitHub Copilot のライセンスがあり、会社の管理ツール(Intune)でパソコンが管理されている人だけ。しかも Scout 自体がプレビュー版です。無料や Microsoft 365 Personal・Family で使っている個人は、現時点では対象に入っていません。日本で使えるようになるかも、公式には示されていません。
エージェントという言い方そのものの意味はAIエージェントとはに、仕事の渡し方はAIに調べて→まとめて→資料までを任せる方法にまとめています。
先に来るのは8月18日
統合は「この四半期」としか出ていませんし、まとまったあとに Copilot の画面がどう変わるかも、まだ案内されていません。ここに書いたのは公式発表の時点の内容なので、日付や対象が動くこともあります。最新は Microsoft の案内で確かめられます。
ただ、8月18日に何が起きるかは、もう分かっています。Deep Research を使っていた人は、作ったものを手元に置いたまま、次の道具を選べます。Podcasts で作った音声だけが、その日を境に開けなくなる。同じ日に同じアプリから消える2つで、あとに残るものが分かれます。
出典:Microsoft サポート「Deep research in Microsoft Copilot」「Podcasts in Microsoft Copilot」「Researcher の使い方」(廃止の告知は英語版に掲載。対応言語・提供範囲は日本語版の「ディープ リサーチ」「ポッドキャスト」/日本語が対応言語であることは「Supported regions and languages in Microsoft Copilot」)/Microsoft「Microsoft 365 のプラン比較」「Microsoft 365 Premium の提供開始(2025年10月2日)」/Microsoft「FY26 第4四半期 決算説明会」でのサティア・ナデラCEOの発言(米国時間2026年7月29日)/Microsoft Learn「Microsoft Scout の概要」「Scout の FAQ」/Microsoft 365 ブログ「Introducing Microsoft Scout」
